セント・ベルナルデュス醸造所ハンス氏とローデンバッハ醸造所ルディー氏による新醸造所設立をお知らせします。
この醸造所のビールは我々が日本へお届けする事になります。
醸造所の生産量が非常に限られているためにイーペルでのブルーパブと一部の国への輸出のみとなる予定です。日本ではブラッスリー セント・ベルナルデュスの7/23の2周年パーティーにて樽生を発表いたします。
提供もブラッスリー セント・ベルナルデュスが主となる予定です。
僕もここでビール醸造出来たら良いなぁ。なんてね…
KAZEMATTEN醸造所
西フランダース州の美しい街イーペルは奇しくもちょうど100年前に始まった第一次世界大戦の主戦場となった場所です。この時にこの付近で使用された化学兵器イペリオットもそのイーペルという名前から来ています。イーペルでは毎日ラスト・ポストと言われる慰霊式がおこなわれ多くの戦死者をだしたイギリスから多くの人々が毎日訪れます。
そのイーペルの町に醸造所をつくりあげるのは長い道のりでした。イーペル市議会と、この歴史ある街に感謝を表します。Houten Paard(木馬の砲台)のKazemattenは、ヴォーバンの築城法にもとづいて1680年代に建設されました。ヴォーバンはルイ14世の時代の軍人です。Kazemattenはイーペルの町を取り囲む城壁の一部を成していて、何世紀もの間この地下室は弾薬や軍事物資の保管に使用されていました。イーペルが包囲されている時、イーペルを守る軍隊はシェルターや寝床としても使っていました。指揮本部や野戦病院も設置されており、「ホテル・ド・ランパーツ」と皮肉られていました。さらにイギリスの有名であった戦時の新聞「Wiper Times」の本部がここにありました。そんな場所に、いま醸造所が誕生したのです。
その醸造所は同じく西フランダース州にて世界に誇るビールを醸造するセント・ベルナルデュス醸造所のオーナー,ハンス氏と、同じく世界を代表するフランダース・レッドビール「ローデンバッハ」の醸造長ルディー氏によるものです。二人は良き友人でありこれから様々なビールを醸造していく予定です。醸造規模が非常に少ないためにブルーパブとごく少数の友人へビールが送られる事になるでしょう。
Wipers Times
ワイパース・タイムス14は、イーペルの新しい醸造所「Kazematten醸造所」の最初のビールです。イーペルのLille門の、Houten Paard(木馬の砲台)のKazemattenの中にその醸造所はあります。
上面発酵のブロンドビールで、4種の穀物、4種のハーブと、その地域のホップで醸造されています。ビール名は、第一次世界大戦中にイギリス軍によって作成されていた「塹壕新聞」の名前に由来します。この新聞は古い印刷機を使って砲台の中で印刷され、イーペルの廃墟の中から発見されました。並外れたジョーク、ブラックユーモア、皮肉が評判を呼び、イギリス軍の中でまたたくまに人気を博しました。Wiper Timesの名声は時を超えて高まり、いまでは第一次世界大戦時のイギリスの貴重な古文書ともなっています。Wiperとはイーペルの街の英語名ですありWipersはイーペルの町に命をささげた兵たちの総称でもありました。
香りづけとして使われているハーブは、薬としても使われるSaint Mary’s (or Scotch) Thistleで、blessed thistleとも呼ばれています。このthistle(アザミ)はWiper Timesの表紙やビールのラベルにも描かれています。
Grotten Santé
Wiper Timesの醸造の他に、Kazemattenは「グロッテンビア」の熟成庫でもあります。
グロッテンビアはベルギーの素晴らしい醸造家のひとりであるヒューガルデン、セリス・ホワイトの生みの親ピエール・セリス氏によってうまれました。グロッテンビア醸造の目的は、洞窟のような一定に保たれた低い温度がどのような影響をもたらすのかを確認することで、事実ビールの味わいは他と比べものにならないくらい素晴らしいものとなりました。2002年、セリス氏はビールの銘柄とレシピをセント・ベルナルデュス醸造所へ引継ぎその後10年にわたり醸造が続きました。Kazemattenの話が持ち上がった時、セント・ベルナルデュス醸造所にとってはグロッテンビアにぴったりの土地が見つかり、ピエール氏の夢が現実となったのです。もちろん泥灰土でできたValkenburgとKanneの洞窟もまた、これからもグロッテンビアの醸造を手助けしていきます。この泥灰土の洞窟の中で、グロッテン・サンテの低温熟成の工程を体感できます。グロッテンビアが過去10年間そこで熟成されていたように、グロッテン・サンテとそのシリーズも、将来同じように醸造されていきます。
グロッテンビアをKazemattenに移すにあたり、デザインとブランド名を一新しました。グロッテンビアはグロッテン・サンテとなり、これまでと変わらないレシピで醸造されます。
グロッテン・サンテはスパイシーなアルコール度数6.5%のブラウンエールで、エキゾチックな材料を少量使うことですっきりとした後味をうみだしています。