その8


|ベルギービールとは?|
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ストロング ゴールデンエールとは、
簡単に言えば、高アルコール度数の金色の上面発酵ビール(エール)を指します。
アルコールは7.5~9.5%の物が多いようです。

このゴールデンエールはビール評論家、マイケル・ジャクソン氏が自書”The Great Beers of Belgium”で分類し、日本でもよく使われていますが、
今年発売になった最新版の”The Great Beers of Belgium第5版”ではこの分類はなくなり、
Wicked Beer という新しい分類ができゴールド色以外のストロングエールもこの分類に入るようになりました。(実際、ピラートとグーデン・ドラークが一緒に紹介されています。)
しかし、ビールの色が違う物が一緒に分類されると私達のようなビール愛好者ならいいものの、
ベルギービール初心者の方にはまぎらわしくわかりにくい物であると考え、あえてゴールデンエールとして分類させていただきました。

ストロング・ゴールデンエールの代表「デュベル」
ゴールデンエールを説明する上でこのビールの説明は欠かせません。
このビールを醸造するモルトガット醸造所はモルトガット一族によって経営されるファミリーブルワリーです。ベルギーでも6番目に大きな醸造所のようですが、非常に品質の高いビールを醸造しています。この醸造量の約9割がデュベルの生産となっているようです。
第2次大戦よりも前の時代です。世界中が大量生産のピルスナーが広がる中でしたが、イギリスの酵母を使ってエールを試作してた時、モルトガット氏の友人に飲ませた所、飲み口のよいビールなのに高アルコールでつい酔っぱらってします。
「まるで悪魔(DUVEL)のようなビールだ、、、」
そして、このビールは世界一魔性を秘めたビールとして世界中で愛されるようになります。

モルトガット氏の写真。

このビールがベルギー、そして世界中で知られるようになっていきます。そしてそれ以外のゴールデンエールも次々と誕生していく事になるのです。

※醸造所の訪問歴 有り。英語のビデオがどうしても見つからず、オランダ語のPVを見せていただきましたが、意味がわからなかった記憶あり(笑)モルトの香りの非常に強い醸造所でした。

これからのゴールデンエール達
ストロング・ゴールデンエールはデュベルだけではありません。
多くの醸造所がこれらのビールを作り出しています。
私の考えではフレミッシュ地方(ベルギーのオランダ語圏)に多いと考えます。

デリリウム・トレメンス(ヒューグ醸造所)

ラテン語で「アルコール中毒による幻覚症状」というビール名。
このビールを飲むと頭の上にピンクの象、踊るワニがくるくる回るという事から来ています。
ほんとにそんな理由でビールの名前決めてしまうなんて日本ではありえませんよね。
本当に遊び心あふれる醸造所、社長のJean De Laet氏も遊び心あふれる方。
醸造所のみんなでコスチュームを着る事なんてよくあるどころか、
毎年、8月の第三土曜日には小便小僧がコスチュームを来て、なんと小便が
「デリリウム・トレメンス」となるのです。
ベルギー人の気質はビールにまでにじみ出てくるのですね。

ルシファー(リヴァ醸造所)

意味は堕天使「ルシファー」
大天使ミカエルに翼をもがれ、地獄に堕ち、悪魔となります。
ラベルの上部でスコップを持って仁王立ちになっているのがルシファー。
要は、「このビールを飲んだら地獄に落ちてしまいますよ」という意味を込めているのでしょう。

ピラート(ヴァン・スティーンベルゲ醸造所)
瓶のピラート、特に樽生のピラートは
私の一番大好きなビールの一つです。なので輸入しているのですが。
9%と10.5%があります。
ピラートは英語で「パイレーツ」。海賊という意味です。
海賊が航海の前に力を蓄えるために飲んだと言われるビール。
いくら海賊でも酔っぱらって海に落ちはしないでしょうか。
それほど強烈なビールでもあります。