本日よりホワイトビールの父、ピエール・セリス氏の追悼として
デリリウムカフェ トーキョー、デリリウムカフェ レゼルブにて
ヒューガルデン/セリス/セント・ベルナルデュス ホワイト樽生が登場いたします。
セリス氏の現在のビールをほとんど輸入しているものとして、セリス氏の一生を書かねばならない所ですが、あまり説明のされていないこの3種類のビールについて個人としての観点から簡単にお話していきたいと思います。つれづれに書いていくのでよくわからなくなるかもしれませんが、、、(思っている事に関しては書ききれないどころではないので直接お店で私に聞いて下さい。)
①ホワイトビールのレシピについて
ヒューガルデン・ホワイトに関しては、セリス氏も私に言いましたが、現在のヒューガルデンと今のヒューガルデンはまったく違うものだと言っています。当時の物の醸造設備の違いもあり、私自身も彼から聞いた話のレベルではありますが。確かに当時のヒューガルデンはオート麦を使っていました。(その点では小麦、そしてオート麦を使っているベルゴ・マーガスを飲むと非常にわかりやすいのかも知れない。) それは彼自身がヒューガルデン村近辺で作られていた製法を復興する際に引き継いだためでもあるようです。また、より多くの市場を求めて味わいが軽くなっていくのは仕方ない事かと思います。良い悪いに関してはその方の置かれている立場によって変わると思いますのでなんとも言えませんが。
実際にインターブリュー(現アンハイザー・ブッシュ・インベブ社)が醸造していた10年ほど前の物と比べても現在のヒューガルデン・ホワイトはより多くの方に楽しんでいただくためか、軽く、スパイスレスな味わいへと変化したと感じる方は非常に多いと思います。
②瓶内・樽内二次発酵
ベルギービールといえば、瓶内二次発酵をしているというのが定説ですが、
実はホワイトビールで瓶内二次発酵しているものは非常に少ないのです。
ヒューガルデンもパスタライズされており、瓶内二次発酵させているセリス・ホワイトやセント・ベルナルデュスのホワイトは実は非常に希有な存在なのです。
樽生に関して樽内二次発酵させているのはさらに、さらに希有な存在です。これはホワイトビールに限らず、すべてのベルギービールに置いてです。(しかし、矛盾しているようですが、私が輸入しているビールはある意味ほとんど樽内二次発酵です。)
ヒューガルデンとセント・ベルナルデュスはパスタライズされており、セリス・ホワイトは樽内二次発酵となります。
樽に関してはセリス・ホワイトを現在醸造するヴァン・スティーンベルグ醸造所のようにベルギーの中での中規模の醸造所(50,000HL/年クラス)となると樽内二次発酵を行っている醸造は私の知る限りほぼないです。それはボトルはどんなに発酵して炭酸が強くても内容量は変わりませんが、樽生が泡だらけで出てくるとロスやグラスにそそげないなど飲食店、そして販売元から醸造所にクレームが来るため、醸造所の発展の中で樽内での発酵をみんなやめていく傾向にあるためです。
と色々書いてると書ききれないほど書く事があるので、本日お店で私がおりましたら色々ご質問ください。答えられる限りお話しします。醸造についてもここでは書けませんので。。