その5

昨日までオランダからベルギー、フランスを横断していました。
この間に起こった事も順次ブログにあげて行きたいと思います。

さて、今日はアルザスの名門ドメーヌでもあるポール・ブランクのフィリップ・ブランクとこれから会う予定なのでデリリウムカフェに連れて行ければと思っています。

後、ブログで詳しく紹介したいと思いますが、ドメーヌ・ポール・ブランクは1610年から一族がワイン醸造を行っている歴史があり、彼らの畑がアルザス第
一号のグラン・クリュに認められたという名誉あるドメーヌでもあります。ポール・ブランクは現在経営を引き継いでいるフィリップ・ブランクの祖父にあたります。

実は僕は以前からここのケヴェルツトラミネール(ブドウの品種です。)が好きだったのでデリリウムカフェ トーキョーでも最初オープン時にこのワインを提供していました。価格帯的にデリリウムカフェでは少し販売が難しかった事もあり今は売っていないですが。。

今回アルザスを訪問しました。
ドイツとフランスの領地を行き来したために文化が融合しているこの地域は、
ヒューグ醸造所のディビッドの紹介でこの地域の人達とよく会う事があった事や
ワイナリーの見学したかった事もあり以前から興味がありました。

案内にはストライセ醸造所のカルロがベルギーでワイン商をしていたため、彼にお願いしました。
アルザスにあれだけあるドメーヌの中でなぜかここがアポイントに入っていたため、日本で飲めてうれしい事を伝えたいなと思っていました。

なぜポール・ブランクにアポイントを取ったのか車の中でカルロに聞いてみた。
すると彼は
「実はフィリップは僕の死んだ弟と親友だったんだ。カーヴに行くと弟の写真が常に飾ってあるんだよ。」
と答えた。

これについて偶然ってすごいなと感じながら、最初聞いてはいけない話だったなと思っていたのだが、
ワイナリーについてまずフィリップ・ブランクと会って最初の挨拶をしてすぐに、
フィリップはカルロに弟の写真を渡して、
「写真大事にしてるよ、やっぱり頭似てるね(はげてる)」とカルロに微笑みかけるといつもいたって陽気なカルロの目から涙が一粒こぼれ落ちた。

それを見た僕はたまらず、貯蔵樽の方に移動して涙をこらえた。

その後、ワインを試飲した後、レストラン(すばらしい食事とワインだった。今後詳しく)に移動しランチを共にしたのだが、
実は彼も明日から日本に向かうとの事、彼は「君と一緒に帰るよ」と飛行機の便を変更したのだった。

そして次の日、一緒に帰ってきたのだけど前日ごちそうになったのでタクシーで彼を送る事にしたらタクシーの運転手が
「お客さんオランダからの便で帰って来たの? なんかフランスからの便来なくなったみたいだね。」
と聞いてなんか結果オーライな感じ。

彼とも昨日までフランスで初めて会って、次の日から日本に一緒にいるというのはなんか面白いねと車の中で話をした。

そんなわけで一方的に??縁を感じた今回の出会い。
輸入するわけでもなんでもありませんが、この食を通じた「縁」が「円」となるようにこの出会いを大切にしたいと思います。

ちょっと一気に書いたのでよくわからないとは思いますが、もう一度この事に関しては詳しく書きたいと思います。