その7

デカ醸造所で待ち受けていたのはBrew Masterの
Urbainウルバイン氏。早速握手を交わすと彼はラガーリング(低温熟成タンク)に私達を案内し、ビールの説明を始めた。
そして、彼らは明日ボトリング予定のビールだといいながらタンクからビールを取り出した。
de struise brouwers
このビールはまだこの世に発表していない。
Pannepot Grand Reserva」だよ。と言った。
あのPannepotのリゼルバでさえ幻と言われており、手に入らなかったのだが、いきなり出荷前のGrand Reservaをいただける事となり一同感動。

その後、彼らはもう一つのビールを取り出してくれた。
de struise brouwers
Struiselensisだ。この醸造所に住みついた正真正銘のフランダース・ランビックだという。この醸造家のビールに対する強いこだわり、意思を感じる。
その後、彼らのファームに戻っていろいろな彼らのビールを私達に紹介したいという事でそちらに向かう。
なぜファームかというとStruiseというのはフラマン語にて「ダチョウ」の意。ここにはすぐ隣にダチョウ農場があるのだ。その隣に彼らが農場に使っていた小屋を自宅に改修して利用している。といってもゲストハウスもあり立派なものです。
de struise brouwers
そしてUrbainと私達のビール談義が始まった。
de struise brouwers

彼らのビールが次々と紹介され、私は驚愕する。
これだけベルギービールを飲み尽くしていると自負している私が信じられないようなビールを次々と紹介してくる。本当に鳥肌がたつ。

そのうちのいつくかを紹介。下記は
Earthmonk’s Ale ビールから大地の香りとウエストフレテレンからすぐのこの場所で生まれたビールから名付けられた究極のレッドビール。このビールからは20年のヴィンテージを経た以前の樽で寝かせていた頃のグーデンバンドを思わせる衝撃の味わい。
de struise brouwers
そして 「ブラックアルバート」アメリカの友人の為に醸造したこのビールは瞬く間に世界のベストビールに駆け上がる事となる。(なのでアルベールと彼らもあまり呼んでいない。)この時、そんな事も知らない私達もそのドライホッピングによる香り、13%の悪魔のような天使のような味わいに酔いしれこの1.5L マグナムを飲み終わる頃には私ももう天国にいっていた?
このビール談義の途中にはもう私達が彼らのビールを輸入する事は阿吽の呼吸で決定していた。
帰る頃はもう11時近く、セント・ベルナルデュスのゲストハウスに戻る事となった。翌日朝、マルコと共に朝食を取りながら「昨日はブラック・アルバートに感動したよ。」というと
マルコは「あれはすばらしいビールだ。みんなロシアン インペリアルスタウト」と分類するがそうじゃない。アルバート(アルベール2世)という国王の名前を使っているんだ。いうならばベルジャン・ロイヤル・スタウトだ。」
いい事いうな~マルコ。彼は続けてこういった。
「自分の大事なお客がうちにステイしに来て、他の醸造所に回すなんて普通しない。けど俺はおまえが好きだから」といいながらウィンクしてきた。
心が熱くなってきた。もっとセント・ベルナルデュスの良さをみんなに知らせていかないといけない。そう強く思ったのであった。

そして、12月 次のストライセとの出会いが待っていた。
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