その6

20日、夜空港について
一寝してしまい、朝の3時からデリリウムカフェへ 3,4杯いただいて就寝。

朝起きて「欧和」の醸造家今井さんと合流。
今回は、スペイン、ドイツの輸入元の倉庫を見せてもらう事になっていたので今井さんを紹介しようと。

スペインの輸入元はトラピストビール全種から、
ヴァン・スティーンベルグ セント・ベルナルデュス
ヒューグ ボステールス シリー醸造所などを扱っており、スペインを代表する会社だ。

なぜ知ってるかというと、
社長のエリックと奥さんが日本に旅行に来ていて、日本に行くならリオに会っておけといろんな醸造所に言われたそうで、デリリウムカフェに昼から飲みに来てくれたからだ。そこから夕方まで様々なベルギービール屋に連れ回し、グーデン ドラーク マグナムからアブトやクリスマスエールなど飲みまくって交流を深めたわけです。次の日も鮨を食べたり、ベル・オーブで飲んだりした。

後日、彼はいろんな醸造所に電話をして僕がクレイジーだと言ってまわったようだ(笑)
実際、マルコからもエリックはうちに来るとペリオールが好きで15杯くらい飲んで帰るのに日本でリオにベロベロにされたって言ってたよ どんだけ飲んだんだ(笑)と。

そんなわけで
彼の倉庫の責任者 「ノエル」が迎えに来てくれて旅は始まった。
エリックから僕の事をよく聞いているみたいで最初から話がはずむ。

倉庫はシャルルロアにあり、
次にバンショの町にあるバンショワーズ醸造所で彼は仕事があるというので
連れて行かれた。
すごく雰囲気のあるいい醸造所だ。
オーナーなども紹介してもらったが、この醸造所を借りて去年から醸造を開始した醸造家との面会した。
バンショワーズ醸造所

僕が「Nice to meet you」と手を差し出すと、彼は
「俺は君を知っているよ ブリュッセルで会ったよ」
と言われ、
「その時、酔っぱらってた?」と聞くと
「セント・ベルナルデュスとグーデン ドラークを同時に持って酔っぱらってたよ(笑)」と、、。
常日頃の行いはきちんと見られているようです。
バンショワーズ醸造所

バンショワーズの樽生やすべてのビールと彼のビールを試飲させてもらい、
バンショワーズ醸造所
そのレストランで彼のビールを4杯程飲みながら食事をした。やはりフリッツの量が、、、すごい、、。

バンショワーズ醸造所
こちらはアントレ、典型的なベルギー料理 前菜 海老のガーリックソテー
バンショワーズ醸造所
彼のビールについて様々な議論をした後、次へ向かう。まだ名前のついていないこのビールは28日に持ち帰る予定です。

次はシリー醸造所だ。
シリー醸造所はエノー州のシリーの町にある醸造所だ。
家族経営でオーナーの息子のリオネルはセールス担当をしている。
今年の4月くらいに来日した際はヒューグのDavidに言われて、デリリウムカフェに地図持参で突然現れた。やはり僕が一日中、昼から深夜までベルギービール屋に連れ回して交流を深めた仲だ。

エリックが輸入元な事もあり、エリックとリオネルは日本に行って僕に連れ回された話をお互いにしてるみたいだ。

醸造所に到着し、9月のビール祭り以来のリオネルと再会。
オーナーも出て来て今井さんが初めましてと手を差し出し、握手した後、
僕をみて 「本当に久しぶりだね~ 2ヶ月ぶりだ」と笑いながら握手してきた。彼らは僕が輸入元ではないのに本当に温かくしてくれる。
シリー醸造所
寒いのでダブルエンギエンのトレーナーをプレゼントしてもらった。

まず、醸造所を案内してもらう。
うちは1850年から6代続く醸造所なんだと話が始まった所でノエルが7代目じゃないかとつっこんだ。リオネルは違う6代だと言った後、はっと気づいた顔で
「リオ、実は数日前に僕の息子が生まれたんだ。なんで7代目だね(笑)」と彼はうれしそうに僕に言った。僕らは「プロフィシアット(フラマン語でおめでとう)」といって祝福した。

シリー醸造所は1850年に醸造を開始し、農業からの転身である事は
エノー州で醸造されるセゾン シリーを醸造する事からも伺える。
第一次世界大戦時に回りの醸造所がドイツ軍にビール釜を没収される中、
没収されなかったシリー醸造所は生産を拡大した。
「なぜ、シリーは没収されなかったの?」
答えは
「うちの先祖はビール釜を真っ黒に塗りたくって金属に見えないようにしたんだよ。」
1960年代にはトラピストビールの醸造も行っていたようだ。

シリー醸造所
発酵途中をタンクの上から覗けるようになっている。二酸化炭素がゆっくりと上にあがってきている発酵終期。まさにビールは生きている。

醸造所を案内してもらった後は、オーナーも集まって
醸造所内のカフェで試飲を始めた。
シリー醸造所

様々なビールを味わった後は醸造所となりにある醸造所直営のカフェで飲み始める。これでもかとすでに飲んでいるのであるが、
僕は7時からデ・ラ・セーヌ醸造所のベルナルドと夕食のアポが入っていた。リオネルともっと飲みたかったが、数日後のゲントのExpoでまたたくさん飲みにきなよとまた再会を誓ってわかれ、ベルナルドとの夕食へブリュッセルに向かった。

長い21日はまだ続く