その5

2011年。

今年の地震が起こった直後、多くの飲食店に関わる方々がの飲食店自体の必要性を考えたに違いないと思います。私も本当に必要あるのかと考えた一人でした。しかし地震からしばらくしてデリリウムカフェ トーキョーのテラスでお客様とセリス・ホワイトを飲んだ時の普通の生活に戻れた喜び、安心感、お客様とお店で時を共に過ごす事の素晴らしさなによりもの楽しさ、それが嬉しくてしかたなかった。僕はやはりお店が好きで必要とされるお店という場を提供する事、人の円を広げる事が使命だと感じたのです。

今年に初めて行った事の一つである一関地ビールフェスティバルを横浜で開催した時も人の円を強く感じました。僕のルーツでもある一関という場所をつないでくれたのもちょっとした出会い。それはビールという一杯が気づけば一つ一つの糸をつないでくれた。こんなにありがたいものは僕にはありません。一杯が持つ意味。そこに込める気持ちを大事にしていきたい。

僕らはビールの持つ様々な力を信じています。
ビール一杯が好きで始めた事業は、ビールを愛するお客様に支えられ
気づけば世界中にビールのおかげで友達が出来、世界中を旅して「人の円」を作り広げていく事が出来るようになりました。
今年は皆様に具現化した形は見せる事が出来ませんでしたが2012年に行うほとんどの事は2011年に基礎を作ったものとなります。2012年からは日本のビール業界にイノベーションを起こしていく立場へ成長していきたいと考えています。その気持ちをいつも後押ししてくれるのはお客様達とのちょっとしたお店での会話。みなさんとビールを杯を交わし時を共に過ごすこれがすべての原点です。

最後に、今年4月に亡くなったヒューガルデンを生み出し世にホワイトビールを知らしめた
ピエール・セリスさん
僕らにセリス・ホワイトやグロッテンビアなど数々の銘酒の輸入を許してくれて本当にありがとうございました。あなたは僕にとってあこがれの存在でした。
だから最初に輸入したいビールは僕はセリス・ホワイトだと心に決めていました。それが現実になって今では当たり前のようにみなさんが飲んでいるのは、お店を始めた頃を思い出すとちょっと不思議な感じがします。今年のベルギービール名誉騎士の式典にてあなたへの追悼があった時。自分が死ぬときは少しはあなたに近づきたいと思いました。どういう形でかはわかりませんが前を向いて努力していきます。
2012年もやったります!!

↓セント・ベルナルデュス醸造所近くのホップ畑にてヒューグ醸造所のディビッド氏と濱田、佐々木。

それでは2012年も皆様の健康を祈って
フゾンテ!! Gezondheid!!

2011/12/31 菅原 亮平