4年前に作って樽熟成を行ったものが「リオ レゼルバ」。2008年2月にストライセ醸造所(Ratebeer.comで世界一となった醸造家)と「リオ」を醸造し、サンテミリオンから仕入れた新樽にて1年,ケンタッキーのバーボン樽で3年
熟成させたものです。10%以上のアルコールに加えて長い余韻でスモーキー。強烈に印象に残るビールではないでしょうか?
今回2012年2月リオ・ブリューイング・アンド・コーより新たなバッチである「初陣」と「ベルギーチョコレートスタウト2013」を発表します。
「初陣 Uijin」 RIO BREWING & CO.
まず私自身「初陣 Uijin」をどのようなビールにするか考えた時、
苦みや甘みやスパイスを加えてビールとしての味を目立たせる事は可能だったが、日本人のプロダクトとして食事に合わせる事を考えるとビール一杯だけが主役となる事をさけようと考えた。そのため過度な香りや苦みを伴わないようににする事に。
そのためこのビールにはスパイスを使わず、日本にて多く飲まれるビールと同じアルコール度も5%。その中で苦みも協調しすぎない。他のビールとの差別化などの視点からすると非常に難しい難題となった。しかし今回のビール提供時は寒い季節という事を考え、この初陣のアルコール度数を6%以上として醸造を行っている。
最初のバッチとコンセプトは同じくまず、小麦では酸味がかすかにあらわれるため小麦麦芽を使う事にした。あまりに苦みを強くすると小麦麦芽を使う意味もあまりないため、先程書いた通りIPAや苦いブロンドビールと同じになってしまう。しかしながら今回もドライホッピングを行っている。それを聞いた方はIPAに近い物をを想像された方も多いかもしれない。しかしこのビールはIPAと違い苦みを強めるものではない。口の中をスッと抜け、軽やかに香るためだけに大量のホップフラワーを投入しています。食を切るための苦みを求めるのではなく、だからこそ苦みを出すためのビタリングホップにも通常ビタリングに使わないホップををそしてシンプルに一種類のホップをビタリング、アロマホップ、ドライホッピングすべてに使用している。
まさに日本の繊細な美を消さないビールの美を表現するビールだ。少しでも醸造を間違えば良さも何もないビールになってしまうような。昨年発表したリオ・レゼルバとは真逆のビールである。
ベルギーチョコレートスタウト BRASSERIE DE LA SENNE, RIO BREWING & CO.(菅原 亮平)
2012年、3年の構想を経てベルギーにて醸造された世界初のベルギーチョコレートスタウトを共同開発。弊社菅原がデ・ラ・セーヌ醸造所ベルナルドと共に11月にデ・ラ・セーヌ醸造所にて共同醸造を行い、日本とブリュッセルの名店「ムーデル・ランビック」のみで提供される事となった。チョコレートではなくチョコレートモルトを使い、リッチなモルト感に今回は4度のホップ投入による爽快な苦味。VINTAGE2013はさらにビールのコクを生み出すためにミルクスタウトとして一からレシピを作りなおした。醸造しながらまだ最後のレシピを決めきれずに二人で相談して醸造を行ったほどにこだわった。ホップの投入にも様々な手法を取り入れ、苦みだけでなくチョコレートモルトの風味からの苦み余韻はあまりにも長く、しかしアルコール度数は高くない。アルコール度に対しての味わいは類をみない複雑な風味へと仕上がった自信がある。
チョコレートとビールの王国ベルギーにてベルギーと日本の二人がおちあいビールを醸造した。ぜひ二人でこのビールを楽しんで欲しい。きっとラベルのように心が小躍りするようなこれまでにないスタウトに仕上がっている。ベルギーの文化と日本の架け橋となるビールだ。